令和4年度より電験3種の受験回数が年2回になりました。
今回は試験の変更後の制度や変更に至った背景などを解説します。
電験3種の受験を予定されている方は是非ご覧ください。
試験概要内容
これまで電験3種の試験は年に1回、8月に実施していました。
しかし、令和4年度以降は試験が上期試験、下期試験の年2回となりました。
申込時期 | 試験日 | |
---|---|---|
上期試験 | 5月中旬から6月初旬 | 8月中 |
下期試験(New) | 11月中旬から12月初旬 | 3月中 |
参考:一般財団法人電気技術者試験センター(ECEE)
変更した背景
電験3種に合格すると電気主任技術者として、電気設備の保安監督業務に従事できます。
電気主任技術者は独占業務資格です。自家用電気工作物を保有する場所には、電気事業法によって有資格者の設置が義務付けられています。
しかし、電気主任技術者は資格保有者の高年齢化や電気業界への従事者減少など、将来的に人材不足が懸念されます。
加えてメガソーラーや風力発電などの発電設備や電気自動車の充電設備など、電気主任技術者が必要となる設備が増えてきており、今後も増加していくと想定されます。
それらの問題を解決するには電気主任技術者の総数を増やす必要があり、今回の試験制度の変更が行われたと考えられます。
変更後の試験制度
電験3種に合格すると、第3種電気主任技術者の資格が取得できます。電験の受験資格は特になく、誰でも受験することができます。
受験回数が年2回に
・試験が年2回になりました。上期に受験した方も下期に受験することが可能です。
科目合格制度の変更は?
科目合格制度の変更はなく、上期に受験し合格した科目については、下期には免除されます。
免除期間についても3年で変更はありません。
旧制度では最初の科目合格から3年(3回)の内に4科目合格すれば、試験合格でしたが、新制度では3年(6回)の内に合格すればよいため、科目合格が今まで以上に活用しやすく、合格するチャンスが増えたと言えます。
メリット
メリットは以下の3点です。
- 合格チャンスが増える
- 科目合格が活用しやすい
- 勉強のモチベーションが継続しやすい
旧制度と比較し、試験を年に2回受験することができるので、単純に合格するチャンスが増えます。
また科目合格制度が引き続き残るため、早めに科目合格することで、勉強範囲を絞ることができます。
電験の学科は4科目あるため、出題範囲がかなり広いです。モチベショーションを維持しながら勉強し続けることは容易ではありません。
しかし、受験期間が狭まり受験機会が増えることで科目合格などの要所での成果も出やすく、モチベーションを継続しやすくなります。
科目合格ができれば勉強範囲を絞れるため、勉強の効率をあげることができます。
デメリット
デメリットは以下の2点です。
- 受験料が増える
- モチベーションが低下する
受験が回数が増えたため、もちろんですが受けた分だけ、受験料がかかります。ただ、電験3種は独占業務であり、価値ある国家資格なので取得する価値は十分にあります。
試験回数が2回になったことでチャンスは増えますが、勉強が進んでいないと「今回の受験は見送り、次回の受験を頑張ろう」などという気持ちが生まれて、モチベーションが低下する可能性があります。
しっかり受験計画を立てて、取得に向けて勉強しましょう。
まとめ
電気主任技術者は今後更に需要の高くなる資格です。
試験範囲が広いため、計画的な勉強や対策が必要になります。簡単な試験ではありませんが、今回の改正によって科目合格制度が活用しやすくなることから、効率的に勉強すれば、確実に合格率が高まります。
電気の仕事に興味のある方は是非受験を検討してみてください。
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