電力システム改革とは?目的や内容について解説

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電力システム改革とはどのような改革かご存じでしょうか。

今回は電力システム改革の目的や施策について解説します。

電力業界に興味のある方、今後の電力業界の動向を知りたい方は是非ご覧ください。

経緯

東日本大震災後に発生した大規模電源停止に伴う供給力不足や需給調整、電気料金の値上げなど、現行の電力システムの問題点が浮彫になりました。

電力システム改革とはその課題解決に向けて、議論され打ち出された方策で、2013年4月に閣議決定された電力システムに関する改革方針のことです。

目的

電力システム改革の目的は大きく以下の4点です。

  • 電力の安定供給
  • 電気料金の最大抑制
  • 需要家の電力選択ニーズの拡大
  • 新規参入、新技術などによる電力事業の活性化

送配電部門の中立化を行い、全国大で需給調整、電力融通を可能にすることで電力の安定供給を行います。

加えて電力の自由化によって、多くの小売事業者が電力販売に新規参入することで、電気料金の価格競争が発生し、市場の活性化が期待されます

また、電力業界に様々な企業の参入や新規技術が導入される事で、一般家庭や工場などの需要家の電力選択肢や再生可能エネルギーの新技術の拡大などが大きな目的です。

MIN SOO EUNによるPixabayからの画像

電力システム改革とは何をするの?

電力システム改革方針により、以下の内容を段階的に実施することが決まりました。

第1弾 電力広域的運営推進期間の設立

電力広域的運営推進期間の設立以降、「発電」「送配電」「小売」のすべて電気事業者に組織への加入義務があります。

日本全体の電力の安全安定供給を確保のために必要な施策の検討や、災害等による電力融通や全体の系統運用などを行う組織です。

第2弾 小売全面自由化

今まで家庭の電気は、地域の電力会社でしか契約することしかできませんでしたが、2016年4月以降は地域の電力会社以外の電力会社や新規参入した企業から電気を購入することができます

2016年より前から高圧以上は自由化されていましたが、2016年以降は低圧を含むすべての契約が自由化の対象となりました

第3弾 発送電分離

電力会社は「発電」「送配電」「小売」の一体運用をしていましたが、「電力自由化」において送配電部門の中立性を確保する観点から、「一般送配電事業者」が「小売電事業」や「発電事業」を禁止し、組織的にも法的分離されました

各段階の改革に向けて、電気事業法の改正が、第1弾は2013年11月、第2弾は2014年6月、第3弾は2015年6月に第3弾改正が行われました。

Mary PahlkeによるPixabayからの画像

電力システム改革の進捗

電力システム改革は以下のスケジュールで行われてきました。

  • 2015年年4月1日 第1弾_電力広域的運営推進期間の設立
  • 2016年4月1日 第2弾_小売全面自由化開始
  • 2020年4月1日 第3弾_発送電分離

今後は

電力システム改革の大きな3本柱は2020年4月の法的分離を持って完了してました

しかし、本当の電力システム改革はこれからが本番と言っていいでしょう

電力システム改革の目的は前述した通り、「電力の安定供給」「電気料金の最大抑制」「新規参入、新技術などによる電力事業の活性化」です。

現在は電力システム改革が終わったのではなく、電力システム改革に向けた整備が整ったと認識しておきましょう。本当の電力システム改革はこれからです。

電気は私たちの生活にはなくてはならないものです。今後の電力業界の行く末はしっかり注視しておきましょう。

UnsplashAndreas Dressが撮影した写真  

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