無電柱化とは何かご存じでしょうか。
今回は無電柱化のメリットやデメリット、現在の動向などを解説します。
無電柱化について知らない方や興味のある方は是非ご覧ください。
無電柱化とは
無電柱化とは、その名の通り電柱をなくすことです。
正確には電線地中化と呼ばれ、各家庭や商業施設、工場に電気を送るために必要な電柱や電線などの電析設備を地中に埋設していくことです。
都市部の繁華街や大型道路などは無電柱化が進んでいますが、ほとんどの地域はまだまだ電柱を使用した場所が多いのが現状です。
無電柱化の動向
無電柱化については国土交通省が「無電柱化に係るガイドライン」に基づき、取り組みを進めています。
無電柱化を進めるには工事費用が高く、工期が長期にわたるなどさまざまな課題があります。
その課題を解決すべく、従来より浅い場所に施工可能にできるよう解説基準を改訂したり、地中化設備の電線管理者に対して固定資産税の特例措置など、コスト削減できる新たな取り組みを行っています。
とはいうものの、まだまた日本地中化は進んでおらず、推進していくには今後もあらたな施策や取り組みが必要になってきます。
各国の無電柱化の動向
欧米やアジアの主要都市と日本都市部の無電柱化の現状を比較すると、かなり低い水準であることが分かります。
無電柱化のメリット、デメリット
メリット
メリットは以下の3点です。
- 電柱によって景観が損なわれない
- 道幅が広くなる
- 台風や地震などの自然災害時の安全性が高い
- 設備の寿命が長い
無電柱化によって電柱がなくなれば、景観が損なわれることがなくなります。日本にも多くの重要文化財や素晴らしい建物、景色が多くあります。
それらを電柱などの電気設備にさえぎられることなく堪能できます。
また、電柱をなくすことで道幅が広くなり、交通の快適性を保つことができます。
台風や地震などによって電柱倒壊による被害がなくなります。近年では台風21号によって多くの電柱が倒壊し甚大な被害が出ました。
安全の観点からも無電柱化にはメリットがあります。
無電柱化にし電気設備を埋設することで、経年劣化による寿命が伸びます。
屋外に施設していると風の応力や雨風や沿岸部の海水の影響など、外的な設備劣化の要因が多く存在します。
埋設すると設備の費用は掛かりますが、その分劣化も少なく長く使用することができます。
デメリット
- 費用がかかる
- 停電時の復旧に時間がかかる
- 工期が長い
無電柱化の工事は地上に電柱を立てて電線を張る工事と比較し、埋設工事費用はもちろんケーブルや変圧器なども高価になるため、費用が掛かります。
電柱から電気を送る場合は外層の薄い電線を使用しますが、埋設して電気を送る場合は、金属しゃへ い層を施した外層の厚いケーブルを使用するため、コストも増大します。
低コスト手法やケーブル、地中化機器のコスト低減に取り組んではいますが、まだまだ水準と言えます。
また工期が通常の電柱からの送電と比較し、埋設工事や管路工事が必要になる場合もあり長くなります。
台風や地震による停電のリスクは低くなりますが、地盤地下を伴う地震や掘削工事による外傷、設備の経年劣化で停電事故が起きた場合は復旧にかなりの時間を要する場合があります。
11月10日は無電柱化の日
国土交通省は11月10日を無電柱化の日と定め、無電柱化のメリットや無電柱化の支援制度の案内、各自治体の事例紹介を行い、取り組みを広めています。
まとめ
無電柱化を進めていくにはまだまだ課題がたくさんがありますが、大きなメリットもあります。
低コストで工期を短くする新技術などを開発し、導入していけば、将来地中化が進んでいくはずです。
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