近年では東日本大震災や台風21号などによる自然災害によって大規模な停電が発生しましたが、様々な要因で停電は発生します。
今回は停電の主な原因について解説します。
停電の原因に興味のある方や停電にどのように備えればよいか知りたい方は是非ご覧ください。
停電の主な原因は?
日本の停電の主な原因は、以下のようなものがあります。
自然災害や天候の影響
地震や台風、豪雨などの自然災害や雷や嵐などの天候条件の変化によって停電が発生します。
近年では台風21号による突風や豪雨によって、樹木が倒壊したり、建物の倒壊により損壊物が飛散し電線が切れたり、電柱の上の変圧器に外傷を与えたりすることで、電気設備が復旧までの間停電が発生しました。
また地震が発生すると送電線や変電所などの電力設備が損傷し、停電が起こることがあります。
需要と供給のバランスの崩れ
需要が供給を上回った場合にも、停電が発生することがあります。
例えば、夏場にエアコンの使用が集中すると、電力需要が増加し、電力供給が追いつかなくなることがあります。想定される需要を大きく上回り、調整範囲を超えた場合に発生します。
電力設備の故障
発電所や送電線などの電力設備が故障した場合、停電が発生することがあります。
各発電所、送配電事業者は設備不備がないように点検や更新を行っていますが、老朽化や外的な影響によって設備不具合が発生し、停電する場合があります。
人為的なミスや外的要因
電気設備を電力の安定供給ため維持、運用していくには、改修工事やそれに伴う系統操作(変電所を止めたり、電気の流れる方向を変えたり)が必要です。
その作業途上で人為的なミスによって、電力設備が故障し、停電が発生することがあります。例えば、施工ミスや点検不備が原因となることがあります。
また、カラスやへびなどの鳥や小動物などの接触による感電事故や地上置きの電気設備への車両接触、故意による電線切断などによって停電する場合もあります。
これらの原因によって、日本でも停電が発生することがありますが、日本の電力網は比較的安定しており、停電が発生する頻度は比較的低いとされています。
日本の平均停電時間
2020年度の年間平均停電時間は東京電力の場合約13分で、関西電力の場合は約12分です。
感覚的にもかなり短い感じがしますね。
諸外国との比較
他の諸外国と比べるとかなり短い水準です。
ちなみにアメリカ合衆国エネルギー省(米国エネルギー省)によると、2019年におけるアメリカの年間停電時間は、1件あたり約4時間程度でした。
自然災害による停電が多い地域や、老朽化した設備を抱える地域などでかなりバラつきはありますが、日本の電力設備はかなり優秀と言えます。
近年の停電の傾向は
日本では、近年の停電の傾向は比較的安定しており、長期停電が発生することは少ないとされています。
ただし、近年では以下のような傾向があります。
自然災害による停電
自然災害による停電が発生することがあります。
例えば、2011年に発生した東日本大震災、2018年の台風21号では、多数の送配電線が損傷し、停電が発生しました。
また、豪雨や台風による停電も度々発生しています。
需要と供給のバランスの崩れ
需要が供給を上回る場合に、地域ごとに計画停電を実施することがあります。
2011年の東日本大震災では、計画停電が実施され、2018年の大阪北部地震では、一時的に計画停電が実施された地域もありました。
東日本大震災以降、原子力発電の停止によって供給力が低下しています。
そのため、各電力会社間の需給調整のための電力融通によって停電を防止しています。
電力設備の老朽化
日本の電力設備の一部は古くなっており、老朽化が進んでいます。このため、設備の更新や改修が必要とされています。
再生可能エネルギーの普及
近年、再生可能エネルギーの導入が進んでおり、太陽光発電や風力発電など、天候に左右されるエネルギー源が増加することで、需要と供給のバランスが崩れることがあります。
これに対応するため、蓄電池の導入やエネルギーの調整などが必要とされています。
総じて、日本の停電の傾向は比較的安定しており、高い確率で発生するとは言えませんが、自然災害や需要と供給のバランス、電力設備の老朽化、再生可能エネルギーの普及などが停電の原因となることがあります。
停電に備える方法
停電に備えるためには、以下のような方法があります。
常備品やライトの用意
停電時に必要な備蓄品を事前に準備しておくことが大切です。
水や食料などの非常用の飲食料品があると安心です。
また停電時には照明器具が使えなくなるため、緊急時に備えて懐中電灯やLEDライト、キャンドルなどの緊急用のライトを準備しておくことが大切です。
防災情報の受信
地域の自治体や天気予報のサイト、スマートフォンアプリなどから、防災情報を受信できるように設定しておくことで、停電などの災害情報を早く知ることができます。
また、携帯用のラジオがあれば電源がなくても防災情報を聞くことができます。防災用のライト付きラジオなど多機能付きのものもあります。
電源バックアップの準備
停電時には電気製品が使えなくなるため、スマートフォンやタブレットなどの充電には、モバイルバッテリーや車載充電器などの電源バックアップを準備しておくと便利です。
また、乾電池なども用意しておくとよいでしょう。
家庭用発電機、バックアップ電源の用意
停電が長期化する場合には、家庭用発電機を用意しておくことで、ライフラインや冷蔵庫などの電化製品を稼働させることができます。
現在は小型でお手頃な発電機も数多く販売されています。
太陽光発電システムを搭載している家庭であれば、自立運転に切り替えることで太陽光で発電した電気を使用することができます。使用する場合は各メーカーの取り扱い説明書をしっかり確認しましょう。
まとめ
今回説明した方法で、停電に備えることができます。また、停電が発生した場合には、冷静に行動することが大切です。
今後は南海トラフなど大規模な自然災害が発生することも予想されます。発生時に慌てるのではなく、しっかり準備をしておきましょう。
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